CADモデルの高速ボクセル化に関する研究

 複雑なモデルに対する数値シミュレーションを実施するためにはCADで作成したポリゴンモデルを解析手法に適した離散化モデルに変換する必要があります。本研究室では主に直交格子用解析手法のために、ポリゴンモデルを高速・省メモリでボクセルモデルに変換する技術を開発しています。



クラスタ型コンピュータを用いた大規模並列計算に関する研究

 近年、CPU周波数の向上は低下してきており、スーパーコンピュータに代表されるハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)はピーク性能を達成するため、複数ノードがネットワークで介して接続されるクラスタ型の形態をとっています。ノードは一般的にマルチコアを有する複数CPUと広帯域メインメモリから構成されており、必要に応じて超並列計算用にGPUカードが複数枚搭載されています。また、ノード間のデータ通信はMPIを用いて行われます。本研究室では、クラスタ及びGPUにおいて高速大容量計算を実現するための大規模並列計算プログラムの開発を行っています。



ボクセルモデルの高解像度化に関する研究

 人体に対する数値シミュレーションにおいては人体数値ボクセルモデルが広く用いられています。一般に公開されている人体モデルは分解能が固定されている場合が多く、高周波解析に用いる場合はモデルの高解像度化が必要となります。本研究室では、既存ボクセルモデルを高解像度化する技術を開発しています。



[1] 長岡,櫻井,国枝,渡辺 他,"日本人成人男女の平均体型を有する全身数値モデルの開発," 生体医工学, vol. 40, no. 4, pp. 239-246, 2002.

中間周波帯及びミリ波帯における人体電磁ばく露に関する研究



 電磁波利用の多様化に伴い、従来の携帯電話等で利用されている周波数だけではなく電子機器が発する中間周波数や5G無線通信に利用されるミリ波帯が人体に与える影響が関心を集めています。本研究室では、電磁波シミュレーション技術を用いてこれら周波数帯に対する電磁ばく露解析を行っています。


人工知能を用いた電磁デバイスの最適設計に関する研究



 電磁デバイスの複雑化及び少子高齢化によるエンジニアの減少に伴い、高性能な電磁デバイスを自動的に最適設計する技術が重要となって来ています。本研究室では、数学的な根拠に基づく随伴変数法を用いた勾配法、人工知能の一種である遺伝的アルゴリズム(GA)及び粒子群最適化(PSO)、近年再度注目を集めているニューラルネットワーク(NN)等と電磁界シミュレーションを組み合わせた電磁デバイスの最適設計に関する研究を行っています。